ピークフローメーターについて

気管支喘息を持つ患者さんににとって、ピークフローメータを用いた自己管理は、大変重要です。

ピークフローとは

ピークフローとは、十分息を吸い込んで思いっきり早く吐き出したときの最大の息の速さの事 (最大呼気流速度) を指します。吐き出した息の量ではありません。喘息発作が起きたときに気管支には、気道の収縮や粘膜の浮腫、分泌物の増加などを来たし、このピークフローは普段に比べ低下してしまいます。つまりピークフローは気管支の状態を表しているとされています。ピークフローの変化は非常に敏感です。自覚症状の乏しい喘息発作でもピークフローに変化が現れることがあります。ピークフローを測定する簡易なピークフローメーターを用い、喘息患者の自己管理に使用されています。

 

ピークフロー値の測定の仕方

機種によって若干扱い方は変わりますが、測定の基本的な扱い方を示します。

  • きちっと立って、背中をのばして行う。
  • マウスピースが大小あれば口に合ったサイズのものをとりつける。
  • メータの目盛りが一番下にある (ゼロを指している) ことを確認する。
  • 出来る限り深呼吸する。
  • 出来る限り強くはやく息を吐き出す。
  • 3回測定を行い、一番高い数値を記録する。

※ 注意

  • 喘息発作が明らかなときは、無理に記録はしない。
  • マウスピースはしっかりと口にくわえること。口をすぼめたりしない。
  • 高い数字を出そうとして何回もすると、それで喘鳴が出たりすることもある。
  • 測定は、3回までとする。
  • 清潔を保つよう、一週間に一度、マウスピースをぬるま湯で洗い、本体は、食器用洗剤で洗い、よくすすぎます。

 

ピークフロー値の読み方・考え方

気道に病変を持たない健常者のピークフロー値が発表されています。お子さんの場合ですと、身長に応じた正常のピークフロー値も発表されています。しかし、喘息の患者は必ずしもこれらの数値にとらわれる必要はないとされ、絶えず自己のベストピークフロー値になるようにコントロールされるべきと言われています。ピークフロー値の低下 は、気管支の収縮、つまり喘息発作の前兆を示しています。自覚症状が無くてもピークフローメーターは敏感に反応してきます。

自己のベストピークフロー値を知るためには、ピークフロー値を毎日1回、2~3週間測定します。これは、喘息の状態がいい時に行ってください。測定の時間は、可能な限り、正午から午後2時頃の間 (この間は、一日の内でピークフローが最も高いとされています)、毎回即効性の吸入薬を使用した直後、その他医師の指示した時間に従ってください。(この時間帯の指定は、自己ベストピークフロー値を調べる時のみに用います。喘息の状態を調べる時は、毎日午前中に測定して下さい。) 2~3週間程記録をつけてもらって、一番高い値が自己ベスト値になりますが、前述のように、健常者のピークフロー値と必ずしも同じになるとは限りません。普段はこの自己ベストピークフロー値を目標にコントロールされます。 自己ベストピークフロー値は、変化していくものですので、どのくらい毎に自己ベストピークフロー値を計りなおすべきかは、医師と相談してください。

 

ゾーンシステム

WHOと米国国立心・肺・血液研究所が発表した喘息管理グローバルストラテジーでは、喘息患者の自己管理にピークフローメーターの使用を勧めています。その中で患者さんへの分かりやすい説明として、ピークフローメーターの数値を以下の3段階のゾーンに分けています。

 

グリーンゾーン

安全:ピークフロー値は、個人の自己ベストの80~100%。生活や睡眠に影響はなく、喘息症状もほとんどない (理想的には全くない) 状態です。

喘息予防維持薬を使用中の方は、処方通り継続して下さい (内服/吸入薬)。学校や運動などは、通常通り行ってかまいません。

グリーンゾーンが3ヶ月以上続いている場合は、薬の量を減らすことが可能かどうか医師と相談してみましょう。

 

イエローゾーン

注意:喘息症状 (夜間症状、活動減弱、咳、喘鳴、運動時または安静時の胸部圧迫感) が認められます。ピークフロー値は自己ベストの50~79%。

発作を止める吸入薬剤

喘息症状の原因として考えられるような因子があれば (薬を飲み忘れた、タバコの煙に接触したなど) 記録しておきましょう。

 

レッドゾーン

喘息警告:安静時にも喘息の症状 (安静時の呼吸困難、胸痛、喘鳴、話が出来ない) があり、日常生活に支障を来す状態。ピークフロー値は、自己ベストの50%未満。

発作を止める吸入薬剤 (使用後、イエローゾーンやグリーンゾーンに戻らない場合は、どのくらいまで待ってよいか医師と相談しておく。) 呼吸、会話ができない状態であれば、911で救急車を呼ぶ。もしくは、救急外来や通常の外来で診察を受ける。)