喘息とは
喘息とは空気の通り道である気管支の病気で、喘息発作を起こしているときの気管支には、気管支粘膜の腫れ (炎症)、気管支の狭窄 (気管支平滑筋の収縮)、や分泌物の増加が起こっていると考えられています。
症状
- 咳がひどい
- 息が苦しい (呼吸困難)
- 発作性にゼイゼイやヒューヒューする (喘鳴)
- 胸が苦しい
気道に反応を起こさせるもの
喘息症状を引き起こす原因は、人によってちがいますので、何が気道の反応を起こしやすいのかを医師と話し合いましょう。
- 冷たい空気 (天候の変化)
- ダニ
- タバコの煙
- スプレー剤など
- 花粉
- ペット
- カビ
- 大気汚染
- 運動
- 心理の問題 (ストレス)
- 風邪などの感染症
喘息のある人は、これらの気道に反応を起こしやすい要因を取り除くことが大切です。
喘息の薬
喘息の薬は、大きく分けると喘息予防維持薬と発作を止める吸入薬剤の2つに分類されます。
発作を止める吸入薬剤は、気管支を広げる作用があり、喘息発作を止める目的で使います。この薬は、症状はやわらげますが症状の原因となている気管支粘膜の腫れを抑えたり予防したりという効果はありません。
発作を止める吸入薬剤の主な薬
- Albuterol (Proventil, Ventolin)
- Lev-albuteril (Xopenex)
- Pirbuterol (Maxair)
喘息予防維持薬は、気道粘膜の腫れを軽減することで喘息発作を予防維持する目的で使います。この薬は、症状をやわらげるだけでなく病気自体を治療します。 毎日、長期的に使用する薬です。
吸入ステロイドを含む喘息予防維持薬
- Budesonide (Pulmocort)
- Fluticasone (Flovent)
- Beclomethasone (Beclovent, Vanceril)
- Flunisolide (Aerobid)
- Triamcinolone acetonide (Azmacort)
メディエーター遊離抑制薬 (吸入薬)
- Nedocromil (Tilade)
- Cromolyn (Intal)
ロイコトリエン拮抗薬 (内服)
- Montelukast (Singulair)
- Zafirlukast (Accolate)
- zyleuton (Zyflo)
喘息治療に使われるその他の薬には、喘息発作のひどい時に使われる内服ステロイド剤や、作用時間の長い経口気管支拡張剤があります。この長時間作用型気管支拡張剤は、発作を止める吸入薬剤同様喘息症状を緩和しますが、ゆっくりと作用するため喘息発作の時には使えません。
内服ステロイド剤:
- Prednisone
- Methylprednisolone (Medrol)
長時間作用型気管支拡張剤:
Theophylline (最近は、速く効いて副作用の少ない吸入薬が開発されたため、テオフィリンはあまり使われなくなってきましたが、中には、夜間の喘息に良く効くといって服用している患者さんもいます。)
長時間作用型β2交感神経刺激薬(この薬は、抗炎症剤と一緒に使われ、通常は、吸入ステロイドと併用されます。)
- Salmeterol (Serevent) inhaler
- Formoterol (Foradil)
吸入薬の使い方
上記のような喘息の薬は吸入薬のことが多く、薬は直接肺に入ります。薬をきちんと肺の中に入れるためには、吸入薬を正しく使わなければなりません。以下に二つの方法を説明します。
スペーサーを使わない場合:
- 吸入薬をよくふる
- 頭を後ろに傾ける
- 吸入薬を口から5cmくらい離したところに持つ
- ゆっくり深呼吸している間に吸入薬を1回口の中にスプレーする
- 息を10秒止めてからゆっくり吐き出す
- 1~3分待ってから医師より指示された回数だけ繰り返す
スペーサーを使う場合:
- スペーサーを歯と歯の間に置き口をとじる
- 薬をスペーサーの中に1回スプレーする
- 4~5回深呼吸を繰り返しスペーサーの中の薬を吸い込む
- 1~3分待ってから医師より指示された回数だけ繰り返す
ピークフローメーター
ピークフローメーターは、気管支の状態を把握する器具です。ピークフローの変化は非常に敏感で、自覚症状の乏しい喘息発作でもピークフローに変化が現れることがあります。喘息患者の自己管理に使用されています。医師よりピークフローメーターを使うよう指示されたら、その使い方の説明を必ず受けて下さい。
以下の場合は、即、病院に連絡して下さい。
呼吸がしづらい:喘鳴や咳が悪化し呼吸がしづらくなり、発作を止める吸入薬を使用しても改善しない場合。
ピークフロー値が低下している:ピークフロー値が低下し、気管支拡張剤を使用しても改善しない場合。
日常生活が普通に送れない:歩いたり、話したりという通常の行動が、途中で休まないと継続できない場合。
以下の場合は、救急医療が必要です。
呼吸困難:呼吸が出来ない時や、くちびるや爪が青くなっている時は、救急医療が必要になります。
自分で運転せず、近所の人に助けてもらうか、911で救急車を呼びましょう。