SFMレジデント・フェローのミシガン大学研修

静岡FM-UMプロジェクトの一環として、SFMレジデントやクリニカルフェローがミシガン大学にて二週間の短期研修を行っています。2010年の静岡FM-UMプロジェクト始動から、15名以上のSFMプログラムレジデントやフェローがミシガン大学家庭医療学科ファカルティーの下で研修を受けました。

JFHP at Domino's Farms - Flags

研修には様々な活動が組み込まれています。研修の大部分を占めるのが、ミシガン大学家庭医療学科のドミノズファーム家庭医療クリニックにある日本家庭健康プログラム(JFHP)での日本語と英語によるプリセプティングです。JFHPではバイリンガルの家庭医が日米両国の患者を診療しています。レジデントはこのクリニックで米国式の家庭医療を自分の目で見ることができます。また、米国で導入されつつあるグループでの妊婦健診がリトル医師やハシカワ医師により在米の日本人妊婦とその家族対象にも行われており、レジデントはこの新しい試みを見学することができます。クリニックを訪れる在米の日本人妊婦は、米国に移住後まだ日が浅いことが多く、医療の面でも言葉や文化の壁を感じています。そのような女性やその家族のサポートシステムともなるグループ妊婦健診は好評を得ています。この他にも、家庭医療クリニックの役割分担や業務の流れを知るための看護師、メディカルスタッフ、受付スタッフのシャドーイングも行われます。

Two women & babies - japanese group prenatal

SFMレジデントは、家庭医療学科グランドラウンドやM&M(Morbidity & Mortality)カンファレンス、レジデントカンファレンスにも参加しています。また、ミシガン大学病院でのUniversity Family Medicine(家庭医による入院診療)およびFamily Mother Baby(家庭医による産科入院診療)の病棟回診見学をすることができます。

日本では稀な内診・乳房診察・男性泌尿器診察法の模擬患者教員による指導セッションを受講します。このセッションでは、模擬患者指導員が患者の視点からこれらのデリケートな診察法を丁寧に指導してくれるため、レジデントにとって大変貴重な経験となります。レジデントの一人は、「SPIは素晴らしくて、このセッションができただけでもアメリカに来た甲斐がありました」と報告しています。

また、滞在中には、SFMプログラム研修のカリキュラムの一部であるオリジナルプロジェクトの指導も引き続き行われました。

SPI Presession

研修のタイミングによっては、医師生涯教育コース受講(女性医療アップデート、老年医学など)、緩和ケアやスポーツ医学の現場見学、精神科ファカルティーからの指導、ブロックマンス(レジデントオリエンテーション)への参加などが可能な場合もあり、できるだけレジデントの関心に沿った内容を学ぶ機会となっています。

Family Medicine Resident Class of 2013

この他にも、日本に関心の高いミシガン大学医学生や家庭医療レジデントらとの交流の機会もあります。

SFMレジデントは、JFHPロテーションマニュアルやその他のミシガン大学家庭医療教育メディアやリソースへもアクセスすることができます。

SFMレジデントが、米国式の家庭医療を直に体験することで、日本の現場に合った家庭医療の在り方を考える機会となり、また、地域で活躍する家庭医を多く目にし、交流することで家庭医としてのロールモデルを見いだすきっかけにもなることを願うばかりです。